データ復旧サービスを利用する際には申し込み前に契約を結ぶ必要があります。利用規約や契約条件として提示されていることがほとんどです。以下に契約条件の注意点をそれぞれ記載します。
- 契約の成立
データ復旧サービス提供者からの承諾表示(データ復旧調査開始の案内またはデータ復旧サービス申込み受理時点)により成立します。利用者は、契約成立前にサービス内容と契約条件を十分に確認する必要があります。
- 所有権と権利の保証
利用者は、データ復旧サービスを申込む媒体の法的な所有者であり、媒体内データに関する合法的権利を有していること、法令に反するデータが含まれていないことを保証します。また、データ復旧サービス契約を締結する権限があることも保証が求められます。
- 輸送費用の負担
媒体の輸送費用はデータ復旧サービスの実施・非実施に関わらず利用者負担です。輸送の際の事故や遅延に対しては、データ復旧サービス提供者は一切の責任を負いません。
- データ復旧の可能性
媒体の状態によりデータ復旧が不可能な場合があります。この場合、データ復旧サービス提供者はデータ復旧を実施せずに返却します。重要なデータは予めバックアップを取ることが推奨されます。
- 返却と損害責任
データ復旧サービス中に発生した破損や損害について、データ復旧サービス提供者は一切の責任を負いません。特に、輸送中の事故や天災による損害についても免責されます。重要データが含まれる媒体の取り扱いには十分な注意が必要です。
- データの内容と整合性
データ復旧サービス提供者は、復旧データの内容や整合性について保証しません。データの正確性確認は利用者自身が行う必要があります。
- バックアップの保管期間
復旧データは、データ復旧サービス提供者が利用者に提供後、10日間のみ保管されます。その後はデータが削除されるため、受領後は速やかに確認が必要です。
- 指示書の提出
利用者は、データ復旧サービス提供者が提供する指示書にて、指定の期間内にデータ復旧作業の実施指示を行う必要があります。この期限を過ぎると契約が解除される場合があります。
- テレビ録画復旧サービスの特則
テレビ録画復旧サービスにおいては、著作権保護の関係からも録画データの復旧は通常データ復旧とは異なる料金設定で行われます。復旧後の媒体は返却されず、提供された納品メディアで引渡されます。訪問設置が必要な場合、追加費用が発生することがあります。
- 無償データ復旧の条件
メーカーのデータ復旧サービスで無償復旧を利用するには、ユーザー登録や保証書の提示が必要です。また、無償対応は、物理障害や使用方法による損傷など一定の条件を満たした場合に限られます。
- 個人情報の取り扱い
データ復旧サービスでは、顧客から受領した個人情報やデータを秘密情報として保持し、プライバシーポリシーを遵守します。ただし、法的要求に基づき行政機関にデータを提供することがあります。
- 契約解除の条件
利用者が法令に反するデータを提供した場合や、連絡が取れない等の状況では、データ復旧サービス提供者は契約を解除する権利を有します。また、解除条件について十分理解し、順守することが求められます。
- 免責事項
データ復旧サービスでは、開封・分解等の作業による損害や輸送中の損害について、一切の責任を負いません。メーカーのデータ復旧サービス利用に際し、製品保証が無効となる場合もあります。
- 守秘義務
データ復旧サービスは通常、厳格な守秘義務を徹底しており、データが外部に漏れることはありません。NDA、機密保持等に関する誓約書等を締結することによって個人情報保護や企業情報漏洩が発生した際の対策として有効です。また、一部の企業では、お客様ご自身がデータの内容を確認できる納品方法を採用していますが、これはデータが正常に復旧されていることをお客様が確認するためのものです。通常は、復旧後のデータが完全に削除されるまで一定期間保管し、その後完全に削除することでお客様の情報をさらに保護しています。
- 児童ポルノデータの受け付け拒否
児童ポルノは法律で厳しく禁止された違法コンテンツであり、データ復旧の過程でそれを復元することは法令違反となり、犯罪行為への加担と見なされる恐れがあります。また、被害者であるお子様への人権侵害を助長する可能性があり、倫理的にも許されません。こうした理由から、データ復旧企業は児童ポルノに関連するデータ復旧依頼は一切お受けできません。
- 反社会的勢力の排除
利用者は、反社会的勢力に関与しないことを保証する必要があり、違反が認められた場合、契約が即時解除される可能性があります。